奈良の都の木簡に会いに行く
去年の夏、私と子どもたちとで平城京跡に行きました。
その時にちょうど平城京跡資料館で、『夏期企画展 夏のこども展示「たいけん!なぶんけん」』というのをやっていました。
奈良文化財研究所の職場体験がテーマになっているということで、うちの子たちも興味津々。
子どもたちの希望により、2週に渡って参加してきました。
「石器の実測体験&解説」のワークショップ。
「木簡の記帳体験&解説」のワークショップ。
どちらも楽しく学べたようなのですが、企画展の中のワークショップということもあり、時間も短く、小学校低学年くらいの子も割合多く参加していたこともあり、
うちの子どもたちにとっては少し物足りなかった様子でした。
もっと本格的に発掘体験的なものができないか探していたところ、同じ時期に奈良文化財研究所で小中学生を対象にした木簡に関するワークショップをやっていたことを知りました。
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そういうわけで…、先日、日本学術振興会が行っている「ひらめき☆ときめきサイエンス」という事業のプログラム
『奈良の都の木簡に会いに行こう!2019』に、中学2年生の第三子と小学6年生の第四子が参加してきました。
はじめに奈良文化財研究所の副所長さんから木簡についての講義がありました。
各班のテーブルの上には平城京跡で見つかった本物の木簡が置かれています。
参加者の名前の一文字(漢字)が書かれている木簡が必ずあるので探してみよう~、ということで皆必死に探していました。
当日の参加者は6つの班に2~4名で分かれ、各班には担当の大学院生と奈良文化財研究所の職員さんがついて個別に説明などをしてくれました。
また、発掘現場から持ち帰った木簡を含む遺物の洗浄。左の写真の水の入ったケースに発掘現場から持ってきたものが入っています。
選別の作業を体験。遺物には細かい木の破片や葉、タネ、燃えさし、土器、瓦、木炭…などなど、素人目にはぱっと見ただけではよくわからないようなモノがほとんどです。
1300年前のモノというとドキドキしますが、終わりのない果てしない作業をコツコツと…、プチ体験できたのはとてもよかったのではないでしょうか。
木簡の保存処理施設を見学したり、木簡の水替え作業も体験させてもらいました。もろくなっている木簡も多いので大切に赤ちゃんを抱くように扱います。
奥の第四子は筆で細かい木簡の破片を取ろうとしているところです。
お昼は木簡に書かれていた食材を使った奈良パークホテル提供のとくせい古代食弁当です。おやつタイムには古代風クッキーセットも!!
昼休みにはせっかくなので、平城宮跡資料館で行われている『夏のこども展示 ならのみやこのしょくぶつえん―土の中の花鳥風月―』も見学してきました。(企画展そのままが再現された子ども向けの無料の冊子もすばらしいです)
おやつのあとにはまた、班のテーブルに戻って木簡の解読についての講義が1時間ほどありました。
すべての作業を終えて、最後は参加者一人ずつ名前を呼ばれて修了証までいただきました。
お土産に奈良文化財研究所特製の木簡風の栞や手ぬぐい、便箋、マウスパッドなどをいただきました。
第三子と第四子とも、たいへん充実した一日だったようです。
最初の講義の時に「ただ木簡に見て触れるだけでなく、1300年前に生きていた人たちのことを想像してみてください。」と言っていた職員さんの言葉が、子どもたちにも伝わっているといいなと思います。