モトクロス観戦

 

昨日、母と子どもたちがクラシックコンサートに行ったそのとき、父と第一子は、名阪スポーツランドへ、近畿モトクロス選手権を観戦に行きました。

じつは、父は、若い頃、オフロードバイクのエンデューロレースに何度も出たことがあります。道路を走ることのできるバイクでモトクロスのまねごとをする、といったらだいたい近いでしょうか。

momo、ジャンプ momo、チェッカー
父、ジャンプ 父、チェッカーを受ける

第一子にバイクに乗らせたいというわけではなく、こんな世界もあるという経験をさせたかったのです。第一子も、行ってみたいと、熱望しました。オヤジ、うるうるです。

ついでに、お天気もうるうるでした。朝から、かなりの強い雨。野球と違って、モトクロスは、雨天中止になりません。長靴はいて、傘をさしての観戦です。

最初は、kids50クラス(小学3年生以下)です。アップダウンを少なくしたハーフコースです。とはいえ、激しい雨の中、ジャンプを決め、華麗なコーナーリング。とても幼い子たちとは思えない走りっぷりです。つづいて、kids65クラス(小学5年生以下)。マシンもひとまわり大きく、コースは大人と同じフルコース。このクラスになると、モトクロスを始めたばかりの大人では太刀打ちできません。

kids50のジャンプ kids65のバトル
kids50のジャンプ kids65のバトル

 

つづいて、ジュニアクラス、国内B級、国内A級、国際B級です。

昼から雨が上がり、午前中のマッドコンディションが急速にドライに近づきましたが、午前中の走行により、深いわだちがあちこちにできています。午後は、ジャンプもコーナーリングも激しくなり、熱い闘いが繰り広げられました。

スタート直後 ジャンプ
コーナーリング  
   

さてさて、第一子の感想はというと・・・

「もっと激しいものだと思っていた」と、物足りなさそうでした。

どんな感想を持とうと自由ですが、父は、ちょっとした違和感をもっていました。今日になって、その違和感が、判明。第一子は、傍観者の目だったのです。

父は、その昔、大型二輪免許の取得が非常に困難だった頃、半年かかって免許を取得しました。ナナハンに乗っているだけで、尊敬やあこがれのまなざしを集めたものです。ストリートライダーとしては、最高のステータスです。泣く子も黙る、ナナハンライダーになりました。その勢いをかって、オフロードバイクにも乗り始めました。750ccに比べれば、ちょろいもんだと、なめてかかり、250ccのXLXを購入しました。さて、オフロードバイクのクラブに参加して、初めてのオフロードライディング。他のメンバーがなんでもなしに走る直線コースで、ナナハンライダーの私は、こけまくり。オンロードのナナハンライダーは、オフロードでは、まるで通用しないと知り、屈辱と衝撃に打ちのめされました。それ以後、オフロードバイクの練習を重ね、徐々にレースにも出場するようになっていきました。

第一子に尋ねました。「雨の中、いちばんちびっ子たちが走っていた、ぬかるんだコースを、お前は、自転車でこけずに走ることができるか?」

とうてい無理です。オンロードライダーが初めてオフロードバイクに乗ったなら、たぶんちびっ子に勝つことはできないでしょう。というか、無事に1周することも難しいかも。雨中であれば、たぶんちびっ子コースを1周することは無理でしょう。

昨日レースに出ていた選手たちは、日ごろ、かなりの練習をしています。ちびっ子たちも、たぶん、家族ぐるみ、生活の大部分をモトクロスに費やしているだろうと思います。どんな道にも、それまでの物語があります。そこへ思いをはせることが大事なのではないか。興味があるかどうかとは関係なしに。

子どもたちが行ったコンサートもそう。その演奏に至るまでの、長い長い物語が、それぞれの演者にあるはず。

その物語が美しい、と、私には思えるのです。

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