古代出雲王国をめぐる旅(9)
いよいよ3日目。これで旅も終わりです。
島根から鳥取へと移動しておりますが、現在の鳥取県西部地域は古代出雲王国の勢力下でした。
次は鳥取県西伯郡南部町にある「赤猪岩神社(あかいいわ神社)」です。(参考サイト:○古事記編纂1300年 オオクニヌシ再生の地 赤猪岩神社・清水井ガイド)
こちらは、日本神話にあるオオクニヌシが嫉妬に狂った兄たちに大きな岩で殺されてしまった話の元になった地です。
鳥居の額束が赤いのがとても印象的でした。拝殿の注連縄は太くて大きく出雲周辺の神社で見かけたものと似ていました。
鎮守の森の巨木。
その横に、オオクニヌシが抱いて落命したと言われている大岩が埋められ、二度と掘り返されることがないように大きな石で封印されているとのこと。
神社の横には池があり、その脇道が「清水井(しみずい)」(ウムギヒメがオオクニヌシを蘇生するため薬を作るときに水をくんだとされる井戸?)へと続いているとのことでした。
次は、鳥取県西伯郡伯耆(ほうき)町の「おにっ子ランド」です。
とはいっても、、、このおにっこランド、以前は遊園地とミュージアムが運営されていたようですが、現在は両方とも廃止され、長いローラーすべり台がある公園となっているそうです。(しかもそのすべり台も半分?は使用禁止のよう)
私たちがここに立ち寄ったのは、そのすべり台が目的ではありません。ミュージアムの上にいる鬼の像を近くで見たかったからです(笑)。というのは冗談で、、
じつはおにっこランドのある溝口地区は日本最古の鬼伝説があり、この↓画像の左寄りの小高い山が鬼住山(きずみやま)と言われています。こちらで孝霊天皇による鬼退治があったと伝わっているそうですが…、出雲の伝承では違う話が伝わっています。
孝霊天皇は第七代天皇で歴史的には欠史八代とされ実在しない天皇と考えられています。出雲の伝承では実在するのですが、出雲族の出身でありながら、出雲を攻め、出雲兵を虐殺したのがこの地です。歴史は勝者によって作られるので、出雲兵を鬼とし、孝霊軍の攻撃を鬼退治として後世に伝えました。それが桃太郎のおとぎ話の原型となっています。
次はおにっこランドの近くにある「楽楽福(ささふく)神社」です。主祭神は孝霊天皇で、鬼退治伝説を由緒にもちます。
参道はのどかな田んぼの間をまっすぐ伸びて鎮守の森へと向かっています。
随身門。拝殿。立派な注連縄です。
境内にある「楽楽福神社古墳」です。その正体は孝霊天皇の崩御の地とも伝えられています。参道からも田んぼの向こうに鬼住山が見えました。
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今回の旅は、古代出雲王国の最期にまつわる場所をテーマに、2泊3日でできるだけ多くまわれるようにスケジュールを組みました。
事前に下記の本を読んだり、行政の観光サイトから資料を取り寄せたりして情報を収集しました。
この夏の猛暑と蚊の襲撃、プラス予定外の寄り道などもありましたが、すべての行程をこなすことができました。
ちなみに連休中にもかかわらず、私たちが訪れた場所(出雲大社周辺と神魂神社、熊野大社以外)は、私たち家族以外ほとんど観光客を見かけませんでした。
暑い時期に古墳や遺跡、神社めぐりをする人は少ないからですかね??
こちら↓は今回訪れた博物館などで購入してきたものたちです。
出雲には今回訪れることができなかった場所がまだたくさんあります。知れば知るほど興味がわいてきます。簡単に行ける距離ではありませんが、また機会を見つけてぜひ再訪したいと思います。