未来の先生たちへ
モモさんが依頼を受けて、小学校の先生になるために学んでいる大学生対象(2日間で約200名)に「我が家のホームスクーリングについて」話をする機会がありました。
小学校の先生をめざしている学生さんたちですが、やはりほんどんの方がホームスクーリングのことを知らなかったり、または外国での話として聞いたことがあるくらいの認識のようで、、初めての話に衝撃を受けた方もかなりいたようです。。
話が終わってから感想を書いてもらったので、私たち家族も見せてもらいました。その中でとくに気になる点が2つありました。
ひとつめは「社会性やコミュニケーション」について。
モモさんが話の中で、私たちがどのように家族以外の人たちとの付き合いがあるのか、関係を築いているのか、を話したと思うのですが、「社会性・協調性について」のコメントがいくつも見られました。
私たちが知っているホームスクーリングをはじめ、積極的にオルタナティブ教育(Wikipedia)で過ごしている子どもたちは、社会性やコミュニケーションに関する問題についての不安はあまりみられません。学校に行っている子どもたちよりは同年代の子どもと過ごす時間は少ないかもしれませんが、逆に言えば本人(家族)次第で年齢問わずいろんな世代の人と過ごすことができます。
ちなみに、子どもが多い地域に住んでいる人にとっては想像しずらいかもしれませんが、田舎(もしくは子どもが少ない地域)では、保育園から小学校(中学校)まで各学年1クラスで人間関係がほぼ変わらないところも少なくありません。
オルタナティブ教育の有利な点は、「社会性やコミュニケーション」にこそあり、むしろ学力(この場合、学校で学ぶような勉強)は、学校教育と比べ不利でしょう。ただし、この「学力」についても、「何を学びとするのか」という考え方次第で、いくらでも有利不利が変わります。
ふたつめは「お金」に関すること。
我が家では子どもたちに、本や教材や道具・素材は欲しいものはできるだけ与えていることを話したら、「そんなにたくさんの本を買うお金はどこから?」という質問がありました。
道具や素材は本来安価なもので、くり返し使えたり数人で共有することもできます。しかし他人に何かをゆだねることは、1人ひとりにお金がかかり兄弟の数だけ必要となり、金額が桁違いに大きくなります。たとえば教育では、学校・塾・習い事には、道具や素材とはけた違いの甚大なお金がかかります。本来自分で出来ることを自分でするならあまりお金はかかりません。それを他人にやってもらうなら大きなお金が必要になります。これは教育にかかわらずどんなジャンルにもいえることですね。
学生さんたちは大学に進むまでいったいどれほどのお金を親御さんが負担してきたのでしょう??
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世の中の多くの物事は多数派(マジョリティ)の意見でできています。多数派から少数派(マイノリティ)の意見を見ることは、わざわざ見ようとしないと難しいことかもしれません。
しかし、少数派(マイノリティ)は多数派(マジョリティ)を前提とした社会の中で生きていかないといけないので、つねに自分たちの立場を考えざるを得なくなります。
自分とは違う環境の人、自分とは違う立場の人、自分とは違う考えの人…そういう人たちともお互いに気持ちよく過ごしていける世の中にしていくこと、子どもたちと一緒に考えていきたいなといつも思っています。
でもマジョリティとマイノリティが逆転するような世の中はすぐそこまで来ているようにも感じています。
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子どもはみんな学校に行くことが当たり前と思っていた学生さんたちが、私たちのような家族がいることを知ったことによって、学校とは?学ぶこととは?教師だからこそできることとは?あらためて見つめ直してもらえたらうれしいです。